協議会メンバー#03
郵便名柄館 Tegami café 責任者
高村 るり子さん
食を通じて魅力を伝えたい
大正レトロな郵便局がカフェに
明治35年に郵便受取所として開局した「名柄郵便局」。大正2年に建てられた木造平屋建て寄棟屋根の局舎は、昭和50年の移転に伴い、その役目を終え、長らく空き家になっていました。
「地域のシンボルだった、かわいい建物を何とか残せないかなぁ」。そんな思いを抱いていた地域の人たちが中心となって、局舎設立100年の節目に、再生プロジェクトがスタート。約2年をかけてリノベーションが行われ、郵便の歴史を楽しめる資料館とカフェがある「郵便名柄館」として生まれ変わりました。外観のさくら色は、創建当時のまま。止まっていた時間が再び動き出したのでした。
食を通じて魅力を伝えたい
地元で生まれ育った高村るり子さんは、平成24年に開催された「奈良・町家の芸術祭はならぁと」のイベントをきっかけに、再生プロジェクトに参画。地域の人たちと一緒に「一般社団法人吐田郷地域ネット」を立ち上げ、カフェの責任者として地元の野菜やお米を使ったメニューを考え、提供しています。「この地域は、金剛葛城山麓の豊かな自然のおかげで、いろんな食材に恵まれています。
ずっと変わらず、こだわって作ってこられたものを、ぜひお客さんにも味わっていただけたら」と高村さん。地元のブランド米「吐田米」や旬の野菜を生かした「テガミランチ」はリピーターも多く、最近は映画「天使のいる図書館」の撮影時に誕生した「天使のパフェ」も人気です。
人と人、地域を結ぶ場所に
カフェのほかに、いろんな地域から来た人と、地域の人をつなぐことを目的とした「ながらむすび」というイベントも開催。地域のおばちゃんたちに、昔ながらの味噌やしょうゆの作り方を教えてもらい、地域の文化も学ぶ場所にもなっています。
「人が集まる場所だった郵便局。食やイベントを通じて、地域も年代も超えたいろんな交流が生まれる場所になったら」と高村さん。この場所がいろんな人たちにつながりの場所になることを願っています。
高村さんのおすすめ
子どものころからよく遊びに行っていた「一言主神社」です。幼なじみの実家でもあったので、苔むした階段で、じゃんけんをして「パイナツプル、チョコレート、グリコ」と言いながら、上り下りして遊んでいました。境内には樹齢1200年の立派な乳銀杏があり、晩秋にはたくさんの葉っぱが境内を敷き詰め、黄金のじゅうたんみたいで、とてもきれいですよ。
Information
郵便名柄館 Tegami Café
奈良県御所市名柄326-1
0745-60-8386
https://tegamicafe.jp/